[蒼穹の下を黒の獣が駆けていく。その背を離れて小さな黒い影が跳ぶのが見え、すぐに爆発と、もうもうと上がる蒸気で見えなくなった。] ……。[動けないまま見つめる前で、蒸気は薄れ、舞い散る金の羽根が見えた。] やったのじゃな。[安堵の声を零すのと前後して、床が小刻みに揺れ始める。崩れるのだな、と、どこか他人事のようにぼんやりと考えていた。*]