また厄介なことになったものだ。[腹心の言葉を待つまでもなく、追跡が難しいことは理解していた。そこに竜まで現れたとあれば、第二王子を捕える子はほぼ不可能だろう。] ……… 戻るぞ。[不機嫌を隠すこともせず、居城と為したジルヴァーナ城へ足を向ける。] 今は預け置く。 いずれはすべてを手に入れてくれよう。[竜が飛び去るのを見送ることなく、心のうちを吐き捨てた。]