──── メイン・サロン付近 ────
[ 私を気遣ってくれる声にも肩へと伸びた掌にも>>292
私は気付くことができなかった。
目は開いていたとしてもその瞳は何も映していなかった。
殴られる覚悟で奴隷である事を告げたのに
"彼"は心底困惑しているだった。>>294
────何故?
私のご主人は貴方様で間違いないはずなのに。
貴方様が"望んで"奴隷と契約を交わしたのでしょう?
それとも、契約した奴隷は
主人の前に現れないのが普通なのだろうか。 ]
ゎ、私は…ヴィクトリア・シーセスターと申します…
[ 言いながら頭を上げる。
それが命令だから
血の気の引いた、青白い顔をしていただろう。
そこで初めて、"彼"が膝をついていることに気づいた。 ]
あっ……いけません…!
お膝が汚れてしまいます…!