[強い衝撃と共に視界が横へ流れる。>>338なにが起こったのか、認識できぬ数瞬。横になった視界の中央に、ジークムントを守るように黒い獣が立っている。その獣に突き飛ばされたのだと理解が追いつくまでしばしの時間が必要だった。]……いつの間に犬を飼い始めたんだ、ジーク。[口の中を切ったか、血の味が舌に広がる。よろめきつつも片膝をついて体を起こした。サーベルは、握りしめていたおかげで突き飛ばされた拍子に抜けている。半身を赤く染めた白い姿に、心のどこかが軋んだ。*]