──現在・第4エリア花園──
[相手のもがきも、もう意に介さない。
血の味が本当に甘美で、今までなぜこれを
口にしていなかったのだろうと悔やむほど。
彼が、一粒の砂を落としたことにも気付かず
飢えた獣はその命が潰えた気配を察すると
ブチリ、噛み付いていた喉元の肉を食いちぎり
先ずは其れを飲み込んだ。
ベロリ、大きな舌が口元を舐めて
口元を汚す赤すら舐めとっていく。
四肢を捉えていた蔦を引かせていく。
四肢には何かに縛られた鬱血痕が残るだろう。
そして喉元には食い千切られた傷跡。
ばっさばっさ、緑色の尻尾を揺らしながら
ぐるる、と今度は機嫌良さそうに唸り
一度彼から降りてはゴロリ、と
その体をうつ伏せにさせる。
そして前脚で背中を押さえつけながら
ズボンの尻部分を咥えると、ビリリ。
引き裂いて肌を裸出させれば
その、男性の身体の中では比較的
柔らかそうな部位に牙を立てる。
その部分を欠けさせ喰らいながら、
相手の握りしめる何かに気づけたが]