…っっがはっ、げほっ、
[血の毛が引き、青紫色となった半開きの唇を押し開くものがある。
それが男の唾液を纏った指であると認識した途端、胃があるだろう辺りから酸っぱいなにかがこみあげた。
しかし吐くものなど存在していなかったので、激しくえづくしかない。
反射的に噛みつくことも考えたが、そこから血の一滴でも流れ摂取してしまう恐れがあった。]
ふ、ぅぐ、ぅ、うううう………!!
[くやしさを、にくしみを、いかりをぶつける先も見つけられず。
ただ嬲られるだけの自分。
…これ以上なく無力さを自覚させられながらも、必死に舌で指を追いだそうと試みるが、…結局、ただ男を喜ばすだけとなっただろう**]