── 回想:レストランに向かう前 ──
[ 料理について告げた突端、落胆の色を灯す瞳。>>305
正直だな目だと、こちらも素直な感想を抱いて。
暫く観察していれば、何かに気付いたように、目の色が、変わる。 ]
ええ、折角の船旅ですからね。
記憶に残るメニューですよ、あれは。
ああ、それは……
賢明な判断ですね。
[ なるほど、と思う。
察することが出来る程度には頭が回り。口を噤むべきところを弁えている男性。
僅かに色づいた声色を聞けば、隠せていない、喜に属する感情に。
若さ故か、と、内心で少し笑ってみせるが。
まさか、自分への "興味" であるとは気づけないまま。]