― とある兄弟の記憶 ―
[教わった事や身に付けた子供というのは使ってみたくなるのが性というもの。
今より若い参謀に剣の稽古を付けて貰い一太刀浴びせたのかも知れない>>288。
もしかしたら勝たせて貰ったのかも知れないがそれに気付かず自信を付けた少年は教えたい欲求に従いまだ幼い弟に稽古に誘う>>340。]
ちがう!剣はこうふるんだ。
もっと強く右に、こうだ。
[習って教わった事を、剣の扱い方を実際見せる様に何度も振って見せた。
剣の稽古が終わったら、一緒に剣を素振りしようとするが、ふらつく弟の様子に気付き稽古を止めさせ、幼い彼を背に負い大人に助けを求めていた事もあった。
その後母に咎められてしまう事も有り、次第に弟を稽古に誘う事は無くなっていく。]