[そうして亜梨沙に案内されるままに、玲緒は本瓦葺きの本堂へと向かっていった。
目指すべき所へと案内する声>>295は、どこか弾んで聞こえる。
本堂に見える木戸や鉄製の鼎や注連縄のおかげでそこが入口に見えるけど、そうではない事は亜梨沙の歩みが教えてくれる。
パンフレットに目を通し、見えた景色を確認して、あれは香薬師堂で、こっちが織田有楽斎の庭なんだと頭にインプットしたりして、そうして目的地に繋がる木戸へとたどり着いた。
中にあるささやかな物販コーナーに少し首を傾げながら、薄暗い土間とお寺の独特の香りに自然と背筋が伸びていく、
と同時、玲緒の視界に円台上に安置される薬師如来の姿が入ってきた。
そうして視線を巡らせ、主に亜梨沙のお目当てである十二神将の姿に辿り着く>>295]