[進むほどに帰路に近づくはずが、妻の顔は曇り行く。原因は己にあるとしても、覚えるのは悦であった。>>372] おや、早く帰りたいのでしょう。 それとも――…、助力は嘘偽りだったと?[態々彼女が断りきれぬ類の言葉を選択し、否を言わせぬ為に何重にも掛ける鎖。逃げ道から順に潰し、妻を捕らえるのは何度目か。されども、それも、常なること。]