[盾に弾かれたサーベルは狙いを逸らされ一刀で命裂くことはならなかった。深く食い込んだ刃を抜いて再び振るうのでは相手に立てなおす隙を与えてしまう。ならばいっそ、肉を噛んだ刃をさらに引き倒そうとサーベルの柄に力を込める。そこに、下からの衝撃が突き上げた。] …っ く 、 は …[殺意衰えぬゆえのあがきが、蹴り上げられた膝が、鳩尾に深く入る。一瞬息が止まり、視界が暗くなった。]