お疲れ様です、
………失礼、所属と名前をお伺いします。
[ 軽く敬礼を返してから、その顔を思い出そうとして……即刻諦めた。聞いた方が早い。
それに、先ほど身体を動かした所為が、目の手術の痕が、ずきずきと痛む。>>0:288
そういえば、今日は薬を飲んでいなかった。
けれど、弱みをみせるのも嫌で、一度目を閉じて開く。
そうすれば、すこしマシだ。
薬を飲み忘れれば、
痛みで目を開けていられなくなると知っていようと。
ナネッテは、無表情のした、気取られないよう振る舞うだろう。
名乗ってくれても、くれなくとも、うっすらと思い出すのは。
あまりに些細なこと、朧気な記憶……─── ]