── いつかのこと、オットーと ──
[パン屋の家の、綺麗な瞳をした男の子
年上が多い村の子供の中では、彼とは近いほう。
あんな性格になったのはいつからだろう?
それが自然だと受け入れ、記憶に無いけれど
わたしにとっては最初からだったのかもしれない。
責めるのは難しいその悪癖から
昔は顔を赤らめて逃げていたものだ。 ]
君は本当に自分が好きなんだな。
女の子より鏡を見ている方が幸せなんじゃないか?
[腕を組み、ため息をついて見せたのは
兄のことがあってから、ずっと後のこと。
手と共に口も働き者なのがオットーだ
すぐに返された内容に肩を竦めて、言い合いは諦める。]