― クリーク砦内部 ―
! がーぐ!!
[女剣士に意識が向いていた為カークの存在に気付いたのは、女剣士がコインを弾いた後だった。
何であんな所にと思うより早く、梁の上で始まった攻防は、樹の上を根城にする山猫のそれに似ている。いやそれよりも難解な動作を、何とか片目でった。
鉈を手にしたまま、適切な射程範囲までじりじりと下がる。
その間にも、二人の攻防は続いている。]
っ…
[下がれた所で弓を取る。矢筒に残った矢はあと2本。外したくはない。構えたまま、梁の下で同じく様子を伺う兵の一人に声を出す。]