― 少し前 ―
[表面上では、皮肉を言ったり相手の態度にいらついたりしていても、オットーとディーターが人狼の噂を聞いて、お互いを心配しているのは見て取れたから、案外きっかけがあれば普通に話せるようになるかもな、と思いついた。
オットーがディーターに喧嘩を売るのは良く見ていたとはいえ、気になるものは気になるのだった。知人同士がギクシャクしていると、慌てて間に入ることはしないとはいえ、内心ハラハラしている。おれってちょっとお節介かな、とは考えるものの。]
うん。オットー、ありがとう。
[しかし、今は考えを表に出すことはなく。
笑みを返してくれたオットーに笑みを返して、嬉しそうにお礼を言うだけだった。]