………。[エレオノーレは俯いたまま、ゆらりと立ち上がる。その傍らには心配そうな兄の姿が在っただろうか。物憂げに伏せた瞳を一度だけそちらへ向ける。が、その瞬間。エレオノーレの体は端からどろりと黒紫色のものへと溶けて。そのどろどろは一箇所に集まると尾羽の長い鳥のような形を模った。黒紫色の鳥は石の玉座に座すセルウィンの元へと翼をはためかせ、優雅に彼の腕へと**]