人狼物語−薔薇の下国

263 修学旅行試験


申 炉 ロー・シェン

―春日荷茶屋―

[昼食の粥を口に運びつつ、時折聞こえて来る観光客の悲鳴を
耳にしては対面する相手に悟られぬよう体を強張らせた。
元より苦手とする女の叫び声とつい先刻鹿に襲われた記憶が
複合すると想像以上に堪える物がある。

温かい粥は意外と疲れていたらしい身に染み渡り、
食べ進める内に自然と表情を緩め、ほうと息を吐く。

不意に思い出すのは赤毛が揃いの似合いの双子。
彼らも鹿に襲われるだろうかと想像してみようとしたが、
兄は兄で謎の威圧感を発してさらりと追撃から逃れるだろう。
妹は襲われそうにはなったとしても、騎士さながらの兄が
手助け、もとい立ち塞がっただけで鹿も退く様が見える。
鹿も良く対にされるとはいえ、馬に蹴られたくはないだろう。
容姿頭脳だけでなく、対妹への過剰性能は羨ましいやら、
そこまで行くとただ呆れしか残らないやら。。複雑な面持ちだった。]

(371) 2014/10/24(Fri) 22:49:43

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