…――信じようって、決めたばかりだったのになぁ…。
[ぼふり、他人のベッドに逆戻りして枕に顔を埋める。しなければならない事がある、けれど、気鬱だ。だって、よりによって、彼だなんて]
……俺、ちゃんと言ったからな。
誰が相手だろうと「信用勝負で負けるから、出たくない」って。
[もう何度目かの溜息を零して、…けれど、意を決してのそのそ起き上がる。
しなければならない事があるから。指で撫で付け毛並みを整えたイドの鼻先に口付けて]
…―――――皆に伝えておいで、リエヴルはブラン。
俺が…鑑定士だ。
[ことづてを運ぶべく掌から羽ばたいたイドが姿を消すのを、ぼんやり見送った…]