[>>362蹴りは当たったが、ナイフを落とすには至らない。
やはり、格段に筋力の低下や、力不足を感じる。
ヨアヒムが何を考えてこの凶行に至ったかなんて、男は知る気も無い。
ただ、向かってくる”敵”を倒すだけ。
所詮素人による振る舞いだ、元軍人だった男に取っては大した事はないが、しかし、見えてる視界は半分だけ。
横に払われたナイフとの距離感が上手く掴めずに、とっさに出した右腕を切る]
──ッ、
ハンデってやつだ。
だが、死んでも文句、言うなよ
[男の目は、昏い。
ヨアヒムが薙いだ手首を捻りあげて、今度こそナイフを床に落とした。]