[メインエリアでの別れ際、名前を教えてもらった。
無理をしないようにと念を押す様子に、だーいじょうぶ、と明るい笑顔を。
――後で考えれば彼の忠告はすべて的を得ていたわけである。]
こちらこそ、色々ありがとうな、クレステッドさん。
ああ、そうだな、営業再開されたら喜んで!
レストラン、色々面白いメニューあるっていうしなあ。
俺も色々聞きたいよ、あんたのこととか、
この船も好きだからさ、話、聞かせてほしい。
じゃあ、気を付けて!
[この時点で考えていたのは、船の異常が解決されて、避難したひとも戻ってきて、また通常航行に戻る――そんな意味での“落ち着いたら”。
重なる異変の行きつく先が、どのようなものであるかなど、このときはまだ何も知らずに、
手を振って別れ、避難艇へと赴いた。]*