[そんな過去を思い返しながら……]
……私は、この船から降りられないから。
軍の規則でね、そう決まってるの。
ああでも、もしかしたらあの騒動に乗じれば降りられたかもしれないわね。
そうね、ロー以外にも何人かと会ったわ。
[そんな軽口を叩きつつも、降りるという選択肢を選ばないことは自分が重々承知していた。
彼曰く"ツイてない人"、つまり避難できずに取り残されてしまった人を思い返しながら、申し訳なくなって彼の顔をじっと見つめる。
どうやらその意図が伝わってしまったようで、励ますかのようにそう言ってくれる彼に、くすりと笑う。]
……ありがとう。
そう言ってもらえると、少し気が楽になるわ。
船員として、無事チグリスまでお送りします。
[言外に、人狼からは守るよという意味もふくませて。
……しかしその守る相手が、排除対象>>79 であるなどと、夢にも思わずに。*]