[とつ。と、声>>222が落ちる。
それに応える声は暫くなかった。
そう、彼の死にゲオルグが非を背負うものではない。
けれど彼女は、他に責めるものを持たぬのだろう。
他に悲しみをぶつけられるものを持たぬのだろう。
だからこうしてやって来たのだ。
己の縁談を申し込む手紙を持って、己の恋人を奪った戦いの象徴に会うために。]
…───レオンは、
[男はレオン。と、名を呼んだ。
フィッシャーと姓を呼んで間髪入れずに、「レオンと呼んで下さいッ!」と返ってきた若い声が脳裏を過ぎる。浮かべていた笑顔と共に。]