―― 第四エリア・花園 ――
[右腕を捕らえていた蔦が千切れ、指先が獣の腹へと届く。
獣の悲鳴と、唸り声。
自身の爪が全て剥がれるほどの力を込めて、肉を引きちぎろうとしたその指は、
けれどそこまでは、届かずに、
緑の毛皮と花弁をつかみ取り、>>364
そのまま蔓へとからめとられる。>>363
右肩に、鋭い衝撃が走る。
全身を貫く痛みに、視界がバチバチと赤く明滅し、]
う、あ、
――っ、ぐ、
[悲鳴を上げようとしたその喉元に、獣の牙が埋められたなら、>>363
声を上げることも適わず、ただ、もがくだろう。
喉であったものに刻まれた傷口が、ひゅう、と酸素を逃がし、声ならぬ断末魔を発する。]