[乗員も乗員である前に一人の人間――という言葉に、一拍置いて、微笑み、頷く。
納得して頷いたというよりは、どちらかというと、
そう言ってくれるクレステッドの諭すような口調と微笑みに、気遣いを感じたから。>>284
肝心の言葉の内容はどうしても、“自分以外の乗員が助かることも、同じくらい大事”という意味に、頭の中でするりと変換されてしまうのだ。
それに――…]
ありがとな。
でもあんたもそうだよ?
さっきだってそうだろう、ベルガマスコさんが
ドロイドに襲われてるの見て、
助けに来てくれてたんじゃないのかい?
[駆け付けるときに見た人影の位置関係は、もしかしたら――と、そう思えるもので。
だとしたら、軍人のような心得がある風でもないのに、自身の身を危険に晒したということだ。
自分の身を大事にするようにという彼自身こそ、どこか、なぜか、
自身を蔑ろにしてしまうところが、あるように思えて。]