旅人 ニコラス

[人狼側の事情は知らないが、ゲルト・シモンの襲撃はリーザ、カタリナの襲撃はオットーだ。ここでニコラスの襲撃も彼が単独で行えば、ペーターは一度も狩りに出たことがない可能性も考えられる。何故ならペーターが人狼騒動に巻き込まれたと聞いた覚えが、少なくとも自分にはないからだ。

もし最短で明日オットーが処刑されることとなれば、ペーターは人狼必須スキルである襲撃について、学ぶ機会を得られいまま、たった一人で即実践する羽目になるのだ。しかも失敗すれば、自らの正体を知られてしまう、危ない橋を渡りながら。

自らの手で人間―しかも以前から知っている相手―を殺すことへのためらいや罪悪感が襲撃の瞬間生まれたら、全くミスをせずに襲撃を完遂させられないかもしれない。うっかり致命的な痕跡を残してしまうかもしれない。

オットーの手で命を奪われる以上、今後の自分の立ち位置は”死人に口なし”。
あとは全力で村の善戦を、人狼側の失敗を祈るしかないのだ。]