― 春日大社・若宮15社めぐり ―
[妹の手を引き、本殿を後にすると次に向かうは南方。
境内から南門を抜け、古い森の中に敷かれた御間道を進めば、
何百年も昔から参拝者を見守ってきた石燈籠に出迎えられ。]
―――…摂社は本殿の祭神と縁深い神、末社はそれ以外。
即ち格式は本社、摂社、末社の順だな。
若宮と第十一紀伊神社が摂社で、それ以外は末社だ。
要するに世帯主と血縁関係があるか否かで、
家内での待遇がある程度決まる。と、思えば理解が早い。
[第一若宮は、先ほど参った本殿の第三殿、第四殿に鎮まる神の御子神である。と定番の薀蓄を紡ぎ、秋風に撓る木々に視線を配り。
神仏霊気に疎い己でも肌で感じる荘厳さに無意識の嘆息を零し。]