[その大いなる壁の前へ立つ、砦へと侵攻したオクタヴィアスの姿。
老将とオクタヴィアスはまだ互いに仕掛けてはいない。
かわりにオクタヴィアスを護るように兵が壁に挑むも、いとも容易くそれを跳ね除ける。
いかに鍛錬をつんだ正規兵といえども、とても敵うような相手ではないのだ。
それどころか、自身でも敵うかどうか。
老将の体格や目の前で見せられた槍の腕から相手の力量を押しはかりつつ]
タヴィア……!
[乱戦の中をかいくぐり、オクタヴィアスへと近寄ろうとする。
いざというときにオクタヴィアスを護れるように。
右半身に痛みが走る。
戦いの最中の昂揚で痛みを感じさせていなかった傷だったが、時間経過とともに効果が薄れてきていた]