― 千古の記憶 ―[竜を目にしたことで、記憶がいっとき過去へと飛ぶ。主観的には、たかだか数年前のこと。あの時まで、戦いは優勢に進んでいたのだ。あの時までは。] ─── 竜だと…![軍を端から蝕むように動揺が走る。見上げる視線の先には、青銀色《あおみづがね》の煌めく巨躯。>>86]