(――足りない。
まだまだこんなものでは足りない)
[渇きは一時的に満たされたが、渇望の心はまだ収まらない。
幸い、終わったと見ると次の男が先ほどの様子などまるでわかっていないようにゆらりとこちらへやってくる]
もっと……もっと下さるの?
[全身に活力が満ちているような高揚感。その高揚のままに、寄ってきた男を逆にこちらから押し倒して剛直を受け入れる。
男の限界は、もう今の自分なら感覚で理解できる。男を上り詰めさせる術も、今の自分には分かっていた。
そして果てようとした男の首筋に――]
『ガァ!? あ、うわああああああああああああああああああ!!』
[白磁の牙を押し付けて、彼の生命を啜っていく。心臓の鼓動が跳ね、奪われ冷え切った身体が満たされていく]