―回想41年前:ナネッテ―
えっぐ……ぐす……
[第三エリアの貨物室の中、子供は泣いていた。]
ごめん……ごめんね……
[手元にある、潰れてしまったカマキリに向かって、必死に謝っては泣いていた。
警備員だった養父の職場に来てみたくて、こっそりシルバーメリー号の港へのその道中、肩に引っ付いたカマキリ。
一緒に乗りたいのかと思えば仲間のような気がして、ちょっぴり嬉しくて連れてきたのに。
機体が傾いたのか、ふとした瞬間バランスを崩し、潰してしまった。
ぐすぐすと泣いていると、呼びかける声が聞こえたか>>343。
カマキリを掬い上げ、ぐすぐすと泣きながらよたよたと前に出れば、ゲンコツ落とされ説教を受けたか。]