[先ほどとは逆に、倍する砲火がヴァンダーファルケに集中する>>362
徹底した旗艦狙いは、艦隊を分けても変わらぬままだ。
見事なまでの徹底振りに、ゲオルグは一度目を細めた。]
『砲撃、回避──…ッ』
[指示するまでもなく舵は切られる。
蛇行するように切られた舵に、艦が傾いた。
その僅か横を掠めて砲弾が飛び過ぎるが、]
……っ!
[があん!と、背後で轟音が響いた。
見れば従っていた巡洋艦のうち一隻が炎を上げている。
甲板に砲弾が命中したようだった。甲板上に慌しく走り回る人の影がある。目に見えて速度が遅くなる]