― 太古の森へ ―
『……なー、ホントに、大丈夫かぁ?』
やってみなきゃ、わかんないでしょ。
『いや、そりゃそーだけど。
同胞って言っても、千年前からずっと関わりなかった連中なんだぜ?』
だから、そんな事言ってたら、始まんないでしょ!
源流辿れば、同じ血脈、気合で押し切れば、きっとなんとかなる!
『…………跳ねっ返りの無茶しい』
なんか言った!?
[そんな、賑やかと言えば賑やかなやり取りをしつつ、北へ向けて馬を走らせる。
特異な装いに肩の白猿、髪をまとめる濃紅の結い紐。
従う青年の肩には、鋭い爪と嘴を備えた猛禽が一羽。
これで目を引かなかったらどうか、という組み合わせが北の森へと向かう様子は、見るものに何を思わせるか。*]