[けれど、硝子が砕けるような音が虚空に響いた後、虚無の本体が崩れ始めた。
ファティの指示を受け、少女はすぐに行動に移した。]
……っ、はい!
[花竜はソルベに並ぶ形でティアナの守る後方へと移動した。
退避が困難な人がいれば、それを助け。
ティアナの歌うような詠唱が始まる。
精霊のいとし子の周囲にとりどりの光珠が現れたかと思えば、
始まりの騎竜師の構えた剣に向かって集まっていく。
紡がれる言葉に応えるよう、彼の構える剣が聖剣にも似た形へと変じた。]
……あれは、
[目にした事のあるものよりも鋭敏な印象を受けるのは、
他ならぬ始まりの騎竜師が握るものであるからか。]