― 巡洋艦ヴァイスメーヴェ ―
ウェルシュ殿...
[ 双子星を沈めることにならなくて良かったと呟いた青年が、今度はその特性と攻略法をすらすらと口にする。
いつものように、ただ船について語りたいから、という口調ではなく、明らかに戦闘になった場合を想定した「作戦」だ ]
判りました。
[ その内心を推し量れば、戦闘を望んで居る訳ではない事も、船を沈めることを喜んでいる訳でもない事も当然に判る。判るからこそ、男は躊躇わず頷いた ]
砲手長、機関長に指示。
[ 男の声に、傍についていた下士官が「了解」と明瞭に応じる。下士官も又ウェルシュの言葉を直接聞いていた。
改めて男が指示するまでもなく、必要な伝令は為され、主砲は『カストール』に狙いを定め、機関室は石炭をボイラーに食わせて、加速に備える++ ]