いいえ、貴女にはして頂きたいこともありますから。
―――…この迷宮を攻略する為に、
力を貸していただけますか?
[言うや否や、彼女の体躯に滑り通す腕。
見目の柔軟さに反する剛健は健在で、
小柄な愛妻を腕の中に抱えてしまおうか。>>364
彼女の肩に掛かる比礼が軌跡を辿って揺らめき。]
魔物の気配は感じません、
ですが、相当複雑な歪曲で組み上げられているようです。
角の度に標を落として、中心地への道を特定しましょう。
[具体案を口にせずに、彼女を納得させる為の打開策を述べる。
導くことは、光精の得意分野だろうが、
実質な労働は明かさぬまま、靴音高らかに鳴らし、迷宮を往く。]