[自我を失い、幼き獣に成り果てた眼で最後に視た映像>>36。
記憶に残るフェリクスの蒼白な顔も、涙を張った瞳も。
そして舌を食んで飲み込む瞬間も。
全ては余さず男の記憶にあり、
そしてそうさせたのが自分であると自覚している。]
…………、完全に「ああ」なってしまったら、皆を傷つける。
もう…―――、俺。
[誰の腹から生まれたやも解らないな悍ましい化物。
これ以上フェリクスをきずつけたくない、そう願い震える。]
…… 、だめだよ。お前まで俺みたいにおかしくなる、
俺と一緒に居たら、
[>>362いっそ死ねと突き放してくれればいいのに。
優しく伸ばされた手を跳ね除けようとするが、できない。
哀しみと良心の呵責の波に飲まれながら、抱擁を交わす。]