― パン屋の近くにて ―
[何れ、村に彼が浸透すれば
彼の元に病や傷を治すことを求めやってくる人はいるだろう
卸される傷薬の出来からするに、真面目な人柄は
伝わってくるものだから。きっと
その性根が理解される日も遠くないと思っていた
忠告には笑っていなされたが>>331]
まーそりゃそうだがな。とはいえ夜道は危険なんだぞ
俺のじーさんだって夜道で転げてぽっくり死んだし
[だから絶対というものはないんだぞーと
少しおどけて言って見せた]
じゃあの、序に喉に良い甘い飴でもあれば
持ってきてくれたら嬉しいが
ああ、俺が舐めるんじゃないんだ
教会をかくれんぼにするガキどもに渡すだけだから*