俺の名前はオズワルド。オズワルド・ヒースヒェン。
民間の配達屋ってやつさ。言っての社員は俺とボス二人だけ。ボスが指示して俺が運ぶ。言われりゃ銀河も股にかけて荷物を運ぶぜ?
今回はチグリスの会議に出席する先生にコイツを届けるのさ。
えーっと確か、アラン・スミシー、だったっけ?そんな名前の人。
[学者先生に促されて自己紹介。カバンから黒い箱を取り出して見せてみる。
その一連の言葉は抑揚豊かに流暢で、聞く人によってはまるで演劇の台詞の様に感じられたかもしれない。
或いは、チグリス会議の出席者であれば、アラン・スミシーと言う名の出席者は存在しないという事に気付いたかも知れない。
もし気付いたとして、名前を覚え間違えているのだと聞き流すか、違和として心に留めておくのか、口に出してしまうのかは相手次第ではあるが]
ふうん…人狼に殺されかけた人間、かあ…
[学者の話に耳を傾ける。確かに、人狼は人間を喰う、と言うのなら、食われる奴は皆人間なんだろう。
頭の中で反芻して、ゆっくり理解していった。]