― 薔薇園 ―[石橋のたもとから移動したのは、少し前までいた薔薇の間だった。蕾が少し綻んだ形の良い薔薇を選んで、ぱちり、ぱちりとハサミで摘んでいく。暫くそれを続ければ、手には色とりどりの薔薇を集めた大きな花束が出来上がっていた。] たたかう、という意思が「神」に植え付けられたものなら、[花束の形を整えながら、呟く。] ───そんなものに踊らされているなんて、 許せないな。[リボンまで掛けた花束を手に、ひとり唇を噛んだ。]**