[掲示板を見れば、かなりの人数が村内にいるようだ。
それぞれの情報に目を通してから、
脳内に村内の建物や道の配置図を叩き込む。
有事の際の、複数の逃走・避難経路、
身を隠せるか、立てこもれる場所。
何パターンかの想定ごとにルートを決めてから、
軍時代の知り合いから訊いた、「組織」の関与を検討してみる]
やっぱり、夢を現実にするという噂は吊り餌で、
例の「組織」の関与や、“試練”とやらは、本当なのか…
ま、いずれにしても、ただで夢を叶えてくれるなんざ、
そんな美味しい話は、ある筈ないよな。
……なあ、相棒。 どう思う?
[視力のよくない右側を補うように先行する犬に、声をかける。
くんくんと鼻をあげて、空気の匂いを嗅いでいた白い犬が、
地雷探知犬として活躍していた時のように、微かな唸り声を漏らす]