― 領主の間・少し前 ―
あ!ガートルートさん!
[声をかけてくれたのは、真面目な方の門番のお姉さんだった。
働いている場所が違うからあまり顔を合わすことは無いけれど、雰囲気がかっこいい人だ。働き始めてしばらくは、おにいさんだと思っていた]
ドレス…ですか?うーん…あったかなあ。
あ、この広間は舞踏会も出来る、って聞いたことあるので、控室のクローゼットにそれ用のがあるんじゃないでしょうか。
…って、もしかしてガートルートさんが着るんですかっ?
あっ、いわゆる勝負服ってやつですね!?
そうだ、よかったら一緒に探しに行きましょうよ!
[控室は、領主の間と扉一枚隔てて繋がっている。嫌がられなければ私もついていきたいな。お姉さんはいつもシュッとした制服姿だから、ドレス姿を見れると思うとワクワクする]
あ…でも、領主さまは変人だから、 甚平 とか パレオの水着 とか出てくるかも…ですよね…
[少し声を潜めてくすりと笑った]