[妹に注意を受けて、今更のように思い出した振りをする。軽い笑い声は秋風に溶かし、誘い言葉に頷いた。>>359] 俺には別の花があるからな、二輪も持たんよ。 ―――…だからこそ、此度もあまり疑ってない。 鬼が出るか蛇が出るかと、一応構えているが、 琉璃の隣で不運を掴むとは欠片も。[示した彼女に差し出す己の右手。己の幸とは常に運気と別の場所にある。するりと引き寄せた細巻一枚、勝負師めいて、互いの合い間で開いて見せた。天が指差すその先は―――*小吉*。]