キャイン!!!!
………グルルルルルルル!!!
[甲高い悲鳴、それと共に一瞬だけ
その体が浮いていた。
蔦がちぎられたとは言え、蔦がそれまで
絡んでいたことで勢いが殺されたからか
血を滲ませることはなかったけれど
ずくずく、腹に受けた衝撃は重く
痛みは獣に手加減も何も全て
忘れさせてしまうのだ。
今一度、再度伸ばした蔓で相手の右手を縛り
もう動かさせてなるものかと、
右肩に鋭い牙を突き立てる。
口の中に広がる甘美な赤にうっそりと目を細め
今度こそ、今度こそ。
相手の喉元に食らいつき、
酸素と声とを奪おうとするのだ]