― “我が家” ―[肩を借りて―身長差でお互い辛そうだったけども―家に入ると、すぐに母親が驚いた顔でこちらを見た。それはそうだろう、いきなり連絡もなく帰ったのだから。祖母の容態を聞こうと口を開くけれど、それを遮るような動きで肩の下の彼が引っ張るものだから、つられて歩が進む] お、い…[慌てて母を振り返り見るが、視線はこちらには向かずに開いたままの扉に向かっていることに微か違和感を覚え] ――。[彼はこの家をよほど熟知しているのか、迷うことなく祖母の部屋へと向かう]