[虚ろな瞳で立ち上がり、ぶつぶつと何かを言いながら、ゆらりとオリハルコンの切っ先を見つめる]
俺は…僕は…
俺は…僕は…
誰…誰…誰…
『しっかりしろ、オズワルド!』
[をぅ、をる、うぉる、と言葉にならない発音を何度も何度も繰り返して。]
『お前は俺が「創った」んだぞ!』
おっさん…アンタ俺を危険だって言ったな…
『親殺しの罪に耐えかねて、壊れてしまった元のお前の代わりに!』
確かにそのとおりかも知れない…
『俺に都合の良い、俺の隠れ蓑としての人格!』
俺はもう、自分がいったい何だったのか、誰だったのかも分からなくなっちまった…
『それがお前の存在価値だ!』
こんなやつが危険以外の何者だって言うんだ…
『お前は何も知らなくて良い!お前は俺の言うとおりにしていれば良いんだ!!』
うるさい!!黙れ!!!
[耳元でがなり立てる声に怒鳴り散らした。最早内なる声なのか外からの声なのか分からない。]