[クリーク砦攻略を狙う者らにとって、ここは一刻も早く突破し先へ進むべき最初にして最大の関門である。逆に守る側にとっても、事情は変わらない。] 我々の目的は、敵を少しでも長く足止めすることである。[そう、男は周囲に語っている。目的はこの砦を守り抜くことではなく、敵を討つことでもない。───時を稼ぐこと。それも可能なだけ長く。それこそが最大の目的であり、恐らくは、それを寄せ手もまた承知しているものと思えた。] だからな、[ただ、男の言葉には更に続きがある。]