―廊下→中庭―
["厨房"と書かれた扉の前に立ち、ごくりと唾を飲み込む。
果たして本当に兄なのか、もしそうじゃなかければ幸いだが、さて何て言い訳をしようか?
などと思いながらも、そっと厨房の扉を開けて中を覗く。
中には――ひょっとしたらドールくらいはいたかも知れないが、調理人らしき人影はなく。
きちんと手入れのされた調理器具や、高価そうな食器やらが整えられていた。]
――?
[中庭の方から話し声が聞こえて来て、窓からそちらの様子を見れば――。]
あああああああああああああっ!!!
["いた" "いてしまった"
ここでは絶対に会いたくなかった。大事な兄の姿が――。]