『 わ、わかったわ… ええと…‥こういう時に隠れる場所といったら クローゼット? 』 [ まだふらつく足取りで、 空っぽのようなクローゼットの扉を開けた。 一瞬、別世界の王国への入り口があれば…と 絵本のようなことを祈ってしまったが、 あるはずもなく。 少年がクローゼットに入るなら、咄嗟に自分も一緒に隠れ。 ゲオルグかもしれないとは思わず、ドキドキしながら、 部屋を確認する足音を、やり過ごしたのだったっけ。 ]