―回想・10年前―[>>319 ”大丈夫、大丈夫。怖くはないよ”上から降ってくる優しい声と、背中を撫でてくれる手の温もりと、布越しに伝わる体温と。まるで全てが、毛布に包まれているような安心感に満ちていて、だんだんと落ち着きを取り戻す事が出来た。大丈夫、怖くない。]……うん…。[『ひとりじゃないよ』と耳元に囁きかけてくる声に、その存在を確かめるように、ぎゅっと服を握る。]