― 街中 ―
[パン屋を出て行く前に見たオットーの怪し気な笑みにぎゃふんと言わされるのは別な意味じゃないだろうなと訝しんだ眼差しをアルビンは隠さなかった>>349。
行儀悪くも買ったパンを頬張りながら街中をぶらぶらと歩き出す。美味しい。もぐもぐ。
所でアルビンがついついをからかってしまうのは、オットーを突けば彼が面白い反応を示すからかもしれなかった。むきになってしまう所と言い、他愛無い嘘にもころりと騙されるオットーは純粋でアルビンの目には眩しく映ったんだったか。決して羨ましいとは思わないけれども。
そんな風に散歩をしていれば、もう一人幼馴染みの姿を遠目に見つけた。ヨアヒムだ。]